2都市のケヤキ並木における生態系サービス評価値の影響要因の検討

小宅由似 (香川大学)・吉岡 威・水野晴之・野上一志・當内 匡・宇田川健太郎・本山圭一郎・安田卓宏 (街路樹診断協会)

D03

仙台(宮城県・青葉通り)ならびに久留米(福岡県・ブリヂストン通り)のケヤキ並木を対象に、生態系サービス評価値、樹木の形状および生育状況を検討した。2都市間でDBHに有意差はなかったが、樹高、活力度スコアは青葉通りで有意に高かった。他方で年間炭素固定量は久留米で有意に高く、気温との関連が考えられた。

i-Tree Ecoを活用した京都市御池通における街路樹の分析および評価

植地俊輔・福井亘・木田実里(京都府立大学)

C11

本研究では,京都市御池通の街路樹を対象に,毎木調査により樹木の状態を把握し,その後i-Tree Ecoを用いて街路樹の生態系サービスを評価した。今後の街路樹の育成管理に役立てるため,生態系サービス評価値に影響を与えている要因を分析するとともに,街路樹にi-Tree Ecoを適用する際の適切なサンプリング法についても検証を行う。

生物多様性国際目標にもとづく国立・国定公園の新規指定の課題〜北海道の事例から

愛甲哲也・井上貴央・松島肇・小林国之(北海道大学農学研究院)・上田裕文・石黒侑介(北海道大学メディア・コミュニケーション研究院)・中山隆治(北海道大学公共政策大学院)

C05

陸域と海域の30%を保全する国際目標の達成に向けて、北海道では知床半島基部、日高山脈・夕張山地、野付半島・風蓮湖・根室半島が新規指定候補地とされた。生物多様性保全・観光振興が期待される一方で、地域産業との調整に懸念の声もある。地域住民の意識調査、ヒアリング調査をもとに、指定の課題について検証する。

大学における自然共生サイト認定・OECM登録の意義と課題 ~北海道大学の事例から~

北岡真吾(北海道大学サステイナビリティ推進機構)・愛甲哲也(北海道大学農学研究院)

C04

2023年4月から「自然共生サイト」認定制度が環境省により開始された。北海道大学は、OECM登録を見据え、保有する札幌キャンパスと雨龍研究林の2箇所を申請し、自然共生サイトの認定を受けた。本学での認定に至る調整・申請等の過程を踏まえ、大学が自然共生サイト認定等に取り組む意義や課題について考察した。

中心市街地における空間構成のデザイン手法の検討・札幌駅南口駅前広場の「牧歌の像」前の小規模オープンスペースを対象として

相映臣(札幌市立大学大学院デザイン研究科)椎野亜紀夫(札幌市立大学デザイン学部)

C02

本研究では中心市街地における空間構成のデザイン手法を検討する。小規模オープンスペースの活用は都市の魅力を高め、市民の生活を豊かにするために重要である。伝統的な日本の造園手法や子供たちが自由に遊べる環境の考慮など、多様なデザイン手法を組み合わせることで、札幌の魅力を象徴する空間を創造することを目指す。

異なる緑地環境の違いが人の心理的効果に与える影響に関する研究

西山大悟・入江彰昭(東京農業大学)・山中日奈子・佐藤雄一(公益財団法人神奈川県公園協会)

B13

本研究では、県立四季の森公園・県立七沢森林公園・県立相模原公園を対象地に異なる緑地環境の心理的効果の共通性と相違性の違いについて明らかにした。
その結果、緑地環境の異なる3公園の心理的効果からみた印象評価の特徴が明らかになり、人の心理的効果に応じた緑地環境の整備や管理に対し有益な知見を得ることができた。

ボタニカルライト(植物による発電)を用いた緑化植物の検討

山下真奈(一般財団法人公園財団)・入江彰昭(東京農業大学)・大塚淳一(株式会社グリーンディスプレイ)

B12

本研究では、植物の違いによる発電する電圧値の変化を調査し、ボタニカルライトの技術を都市のグリーンインフラとして、緑化植物に応用するための知見を得ることを目的とした。その結果、対照区(土壌のみ)に比べて植物のある区域では電圧値が高いこと、緑化植物の種類によって電圧値に違いがあることが明らかとなった。

生物多様性を考慮したおおはし里の杜の整備と維持管理

伏屋和晃・阿部昂祐・國井一史(首都高速道路(株))、小林邦隆((一財)日本緑化センター)

B06

おおはし里の杜は、首都高速道路のトンネル換気施設屋上に整備した自然再生緑地である。傾斜部を有する建物形状を活用し周辺地域の原風景を再現した緑地であり、荷重制限や滑り防止等、立地特性に配慮し施工した。オオタカの飛来等、希少動物も多く確認されており、周辺緑地と連携した生物多様性保全に寄与している。

バイオ炭の植栽基盤への混合が雨水の浸透および低木の生育に与える影響

松岡 怜(東京大学大学院農学生命科学研究科)・松岡 達也(清水建設(株)技術研究所)・高木 大地(東京大学農学部)・大黒 俊哉(東京大学大学院農学生命科学研究科)

B03

都市緑地では豪雨時の雨水浸透と無降雨期間の水分保持の両立が求められ、バイオ炭による土壌改良は解決策として期待される。緑化用低木を用い、強雨と乾燥の繰り返しを想定した試験を行った結果、バイオ炭の均一混合により雨水浸透速度が向上するとともに、無降雨時の植物の枯死リスクが低減される可能性が示された。