工事における既存樹木の保全のあり方


日時:2024 年6月 16 日(日)16:35~18:05

場所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北 N104号室
配信:https://zoom.us/j/8762169776

目 的:現代社会の新たなニーズや課題に対応するため,現在街路や公園のリニューアルが進んでいる。また気候変動が深刻化する中,都市の樹木を生態系サービス豊かな ‘ アーバンフォレスト ’ として育成していくことが世界的に推奨され,緑ゆたかな既存樹木の保全は非常に重要な課題である。しかしリニューアル工事の実態を見ると,残念ながら適切な保全が行われていない場合が大変多くみられる。これは既存樹木の活用を行う際の保全システムが日本では確立されていないことが原因であると考える。本ミニフォーラムでは,日本における既存樹木保全の実態を共有し,海外における保全の仕組みや標準を紹介し,令和3年からスタートした東京都の取り組みとその効果を検証しながら,今後の日本における既存樹木の保全のあり方に向けた議論を深めたい。

主な参加者と役割

司会・趣旨説明
野上一志(街路樹診断協会)

話題提供
小林明(日本樹木医会):街路樹および公園工事における樹木保全の現状

話題提供
當内匡(国際アーボリカルチャー協会):工事における樹木保全の海外事例紹介

話題提供
山下得男(街路樹診断協会):東京都における工事配慮エリア設定と経過報告

話題提供
飯塚康雄(国土技術政策総合研究所):街路樹の根系を保護する取り組み

コーディネーター
石井匡志(全国1級造園施工管理技士の会)

コメンテーター
清水謙治(日本造園建設業協会)
福井 亘(街路樹研究推進委員会)

総評
藤井英二郎(千葉大学名誉教授)

連携する団体:街路樹診断協会,日本樹木医会,国際アーボリカルチャー協会(International Society of Arboriculture),全国1級造園施工管理技士の会,日本造園建設業協会,街路樹研究推進委員会

現代につながる潮入りの庭園


日時:2024 年6月 16 日(日)16:35~18:05

場所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北 N103号室
配信:https://zoom.us/j/5162145804

目 的:東京臨海部は,かつて海の自然を取り入れた多くの潮入りの庭園があり,これらは,海を眺めるだけでなく,舟遊びや鷹狩等のレクリエーション,政治的な接待の場,物資の備蓄,製塩,外国船からの防衛など,様々な都市機能を担っていた。近代の都市開発により潮入りの機能は喪失,海への眺望も失われ,庭園は海と分断された。しかし,近年は民間資本で干潟が復元され,歩行者デッキから庭園と海が見られる新しい風景が出現,今後は海面上昇を想定した新しいまちづくり,都市と海の新たな繋がりが考えられる。江戸時代,都市機能の中心にあった潮入り庭園は,今再び海と繋がろうとしている。我々は潮入りを復元し,ソフト・ハードの取組を通じて庭園群を活かした「文化財庭園都市」をつくること目指している。本フォーラムでは,地形と水による江戸東京の魅力,かつての潮入りの水管理方法,潮入り機能が失われてしまった庭園の3 D モデルでの復元体験,潮入りの池と東京湾の水系などの話題提供と,歴史を踏まえて現代に繋がる潮入りの庭園を活かした「文化財庭園都市」について,議論・意見交換することを目的とする。

主な参加者と役割:

趣旨説明・司会進行:竹内智子(千葉大学)

話題提供(仮題):

・皆川典久(東京スリバチ学会):スリバチ地形から考える文化財庭園都市の可能性OL 
・菊池正芳(東京都慰霊協会):浜離宮恩賜庭園 江戸時代~現代の潮入りの仕組み
・Tamir Erdembileg(千葉大学竹内研究室):旧芝離宮恩賜庭園 潮入の3 D 体験
・樋渡達也(武蔵野文化協会):江戸・東京の潮入りの池と東京湾水系OL

コメント:北村葉子(東京都公園協会)/平澤毅(文化庁) 

ディスカッション

総評:亀山章(東京農工大学名誉教授)

連携する団体:千葉大学,(公財)東京都公園協会,武蔵野文化協会,文化庁

自然共生サイトと造園の関わり


日時:2024 年6月 16 日(日)14:55~16:25

場所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北 N107号室
配信:https://zoom.us/j/7752282572

目 的:生物多様性国家戦略 2023-2030 の最重要施策として,2030 年までに国土の 30% を保護区にする 30by30 がある。国家戦略には保護区拡大の手法として OECM(Other Effective area based Conservation Measures,その他の効果的な地域をベースとする手段)が掲げられ,環境省は OECM の登録促進のために自然共生サイトという制度を立ち上げて,このサイトに認定された区域のうち,法的保護区ではないものは自動的に OECM に登録することとした。R5(2023)年度,自然共生サイトの認定数は 185 件に達し,さらに,R6(2024)年度に向けて多数の候補地が認定のための準備を進めている。そこで本ミニフォーラムでは,生態工学研究推進委員会が行う自然共生サイトの内容分析を紹介し,この制度が「保護地域の拡大にどの程度寄与するのか?」「生物多様性の主流化につながるのか?」について議論する。

主な参加者と役割:

企画の趣旨
八色宏昌(生態工学研究推進委員会/景域計画株式会社)

2023 年度に認定された自然共生サイトについて
大澤啓志(生態工学研究推進委員会/日本大学)

ディスカッション
コメンテーター:
秀田智彦(環境省中国四国環境事務所)
増澤直(株式会社地域環境計画)
日置佳之(生態工学研究推進委員会/鳥取大学/蒜山自然再生協議会長)

まとめ

司会】徳江義宏(生態工学研究推進委員会/鹿島建設株式会社)

連携する団体:生態工学研究推進委員会

公園の社会的価値向上のための管理運営指標の試み(その2)


日時:2024 年6月 16 日(日)14:55~16:25

場所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北 N106号室
配信:https://zoom.us/j/7440394635

目 的:これからの公園の管理運営には,居心地が良く歩きたくなるまちなかづくりへ貢献し,新型コロナウイルスを踏まえたニューノーマル社会に対応し,心豊かな暮らし(Well-being)の向上に資することが求められている。ワールドアーバンパークス(WUP)が公表している 12 のウエルビーイングに関連した指標に着目して,公園の社会的価値向上に必要な取り組みとそれを測る指標の在り方を議論する。

主な参加者と役割:

司会進行
上杉哲郎(株式会社日比谷アメニス):趣旨説明

話題提供1
竹内智子(千葉大学):都市公園の利用行動調査を踏まえた社会的価値からみた指標づくり

話題提供2
岩崎 寛(千葉大学):健康に関する評価指標の考え方

話題提供3
上杉哲郎(株式会社日比谷アメニス):「公園の社会的価値からみた管理運営指標(案)」について

コメンテーター
小川貴裕(日建設計総合研究所)
林まゆみ(みどり・人・まち研究所/元兵庫県立大学教授)
荒金恵太(復興庁宮城復興局)

連携する団体:(一社)パークマネジメント協会

街路樹整備・管理の適正化の課題と今後


日時:2024 年6月 16 日(日)14:55~16:25

場所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北 N104号室
配信:https://zoom.us/j/8762169776

目 的:全国大会開催地の地域的な街路樹行政の現状や課題の把握を6年間実施し,発信をしてきた。開催順に列挙すると,京都大会では「まちの個性を活かす街路樹の計画・整備更新・管理」,筑波大会の「街路樹の新しい価値創出と評価」に続き,神戸大会,仙台大会は,「街路空間の再編や多様な主体との連携による街路樹マネジメント」といった計画的視点に加え,札幌大会では,近年の新しい取り組みである「街路樹の包括管理」を経て,宮崎大会では,「街路樹研究推進委員会のこれからを考える」をテーマに今後の取り組みについて議論を進めてきた。今回は,これまで得られてきた街路樹の状況,維持,管理に関する問題提起などの点に加えて,街路樹そのものの価値,技術の在り方などを模索することが必要になっていると言え,予算が縮減する中でどういった整備が望ましく,管理はどう進めたら良いのかの課題を示しながら,安全性の確保と都市の魅力向上に向けた今後の在り方を模索し,意見交換を行う。

主な参加者と役割:

司会進行 
福井 亘(京都府立大学)

趣旨説明
川口将武(大阪産業大学):研究推進委員会での課題整理について

話題提供1
戸子台和浩(名古屋市緑政土木局緑地部緑地維持課):「街路樹再生なごやプランについて」
話題提供2 
夏目泰裕(豊橋市都市計画部公園緑地課):「豊橋市の街路樹再生指針等について」

意見交換
コーディネーター:赤澤宏樹(兵庫県立大学)

記録:高林裕(京都府立大学),宮本脩詩(株式会社パスコ)

連携する団体:街路樹研究推進委員会

風景計画は農村の持続的発展にどう寄与できるか?


日時:2024年6月 16 日(日)14:55~16:25

場所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北 N102号室
配信:https://zoom.us/j/3159932995

目 的:風景計画の分野では,農村資源をデジタルデータ化して計測したり,史資料を用いた農村の社会構造の読み解きなど,農村ランドスケープの保全に向けた研究が行われてきた。農村ランドスケープは,第一次産業を基盤に成立し,農地,森林,水域等の二次的自然環境が保全・維持されることで独自の生態系を成立させてきたが,第一次産業の担い手や伝統文化の継承者が不足しており,農村ランドスケープは喪失危機にある。一方で,農村空間がレクリエーション・観光・鑑賞の対象となったり,都市住民が農村に移住するなど,農村の構成員が変化する傾向もみられ,第一次産業を基盤に成立してきた農村ランドスケープは,その構成要素も含めて過渡期にあると言える。そこで,本フォーラムでは,農村ランドスケープに関わる研究をされてきた方々からこれまでのご活動を紹介いただき,それを踏まえて,風景計画の研究が農村の持続可能な発展にどのように寄与できるのかを討議したい。

主な参加者と役割:

話題提供
栗田英治(農研機構):農村ランドスケープの可視化に関する研究(UAV や空間情報技術を用いたデジタルデータ化と計測など)

話題提供
高橋俊守(宇都宮大学):農村ランドスケープのマッピングによる立地要因の読み解き(ランドスケープ構成要素としての人の内面要素のマッピングと読み解き,山の地名の空間分析,農村の生物空間地図化など)

話題提供
真田純子(東京工業大学):持続可能な農の風景づくりの実践の検討(農村ランドスケープの成立過程や都市経済と農村の関係を踏まえた農のランドスケープの保全実践など)

若手からのコメント
鴨志田隼輔(東京大学)

進行
矢澤優理子(東京大学)

連携する団体:風景計画研究推進委員会
https://landscape-rp.jila-zouen.org/?p=3929

「花鳥風月」から考える名勝の価値  -風景と時間-


日時:2024 年6月 16 日(日)14:55~16:25

場所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北 N103号室
配信:https://zoom.us/j/5162145804

目 的:「名勝」は文化財として風景を保護する仕組みである。これまでの保護の取組を鑑みると,名勝・登録記念物(名勝地関係)の多くを占める「庭園」に代表される,造形的な審美性による価値が際立った風景に関する議論や,その指定・登録については,定常的に充実してきた。一方で,詩歌や絵画などにより人々に愛でられてきた名所,とりわけ花樹・紅葉,あるいは鳥獣・魚虫などの群生等により生じる風景の名所といった,季節や時間により趣きや彩りが移ろう動的な自然の風景に関する議論の蓄積が不足している状況にある。本フォーラムでは,風景を享受する伝統的な視点の1つである「花鳥風月」から,動的な風景の捉え方やその価値評価の可能性を探ることを目的とする。

主な参加者と役割:

司会
大平和弘(兵庫県立大学)

話題提供
平澤毅(文化庁):花鳥風月と名勝(仮)
話題提供
亀山章(日本自然保護協会):花鳥風月による自然の捉え方(仮)
話題提供
深町加津枝(京都大学):嵐山の花鳥風月(仮)

コメンテーター
浦﨑真一(大阪芸術大学),井原縁(奈良県立大学) ほか